special thanks to gaju


20年以上前の思わぬ「再会」をして以来、私の心をざわざわさせる 日本人離れした彼女の感性は私を魅了し続けている。

 

・カフェ看板

・我家の表札

・ジャムラベル

・カフェ内のオブジェ

・ロゴマーク

・10年前からの「鳥の落書き」

・3代目の携帯カバー・・・

 

私が見ていた小さな雛鳥は、今では美しい濡れ羽をまとった立派な鳥となり両翼を大きく広げて舞う姿をここから見守りたいと願うばかり。ここは素敵な芸術家gajuを紹介できる、幸せな場所です。

 

2021年7月 店主 manami

納屋カフェの看板 2009年制作
納屋カフェの看板 2009年制作
納屋カフェは庭の果樹から作る「ジャム工房」から始まりました。カフェの看板にはjam factryの文字が残ります。
納屋カフェは庭の果樹から作る「ジャム工房」から始まりました。カフェの看板にはjam factryの文字が残ります。

造形作家gajuさんより自己紹介

2009年、真奈美先生のジャム工房のスタートのため【ありときりぎりす】の看板を制作 その後、ロゴマーク、ジャムのパッケージステッカーなどをリニューアルしたり、たまにひょっこり現れては、キッチンに忍びこみ、壁に落書き。2021年、熊本市の飲食店の閉店とともに、壁に造作していたgajuのオブジェが行き場を無くしてしまう。自然と食をテーマにした作品だったため、真奈美先生に思い切って相談をし、半ば、強引に、リメイクを最小限に、造作させていただき。。。幸せいっぱい。感謝。 

納屋カフェのロゴ 2021年制作
納屋カフェのロゴ 2021年制作

gaju(がじゅ/松岡志保)さんのプロフィール

1977年熊本県天草市牛深町生まれ。1995年高校を卒業後、フラワーデザインを勉強するとともに、クレイワークに出会う。2002年『gaju展』をかわきりに、2007年企画展『ありがとうのあしあと展つみかさなる想い』(熊本市現代美術館G III)他、熊本、福岡、東京にて毎年新作を発表している。2013年天草コレジヨ館内に『ESOPOの宝箱-天正からの贈り物-』をプロデュース。デザインから造形まで、すべてを手がける。 「時の経過の不可思議」をコンセプトに、現在、オブジェ、立体イラストレーション、ブライダルアイテムの制作、さらに舞台美術、公共施設・店舗の空間装飾に至るまで、その仕事は多岐にわたる。

ジャムのラベル 2016年制作
ジャムのラベル 2016年制作


「まなちゃんとジェニーちゃん」gajuさん特別エッセー 

納屋カフェへ、造形作家のgajuさんがエッセーを寄せてくださいました。

一目惚れした、白いビーズのネックレス 何千もの小さな小さなビーズが異国の誰かの手によってぎっしりと編み込まれた シンプルだけど、それはそれは、力強さを感じるネックレス。それは、決して、真白ではなく、一見そっくりそうな一つ一つのビーズたちは、それぞれの丸みと、それぞれな白で、輝き、胸を張っていた。 当時、週に1度は覗きたくなる私にとっては、パワースポット的な場所。 まるで、その時だけは、なんとも摩訶不思議な異国ミックス感満載の大好きなセレクトショップ。

 

店内には、ビョークのジャズが流れていた。その時、私は、仲の良いショップのスタッフさんと、このビーズのネックレスについてお喋りしていた。 オレンジの柔らかな光だけで構成された店内から、 煉瓦でアーチ型に作られた入り口を振り返れば、現世界からの逆光。 そこに、現れたロングのカーリーヘアーをなびかせる小柄の女性の黒い影 店内に明るく光る声と共に、 スリムなパンツにショートブーツ、ベージュをベースにざっくりと刺繍やアップリケの施されたショート丈のジャケットに、グリーンのグラデーションのベレー帽。 黒い影は、ゆっくりとカラーを纏っていった。 あら!ジェニーちゃん!! と、私に、呼びかける、そのクールで、キュートな女性は、 なんと、私の高校時代の恩師であった。

10年前からの「鳥の落書き」
10年前からの「鳥の落書き」

卒業してから、初めての再会。 一番に、また、会えたこと、私を覚えていてくれた事、大好きなショップが同じだったこと、先生のプライベートな姿を見れたこと、これまでの何処かの1秒がもしもずれていたら、今、この瞬間会えなかったかも知れなかったこと。ただただ、嬉しさの爆発だったことを、今でも簡単に思い出すことができる。

 

カトリック系の女子校に通っていた私は、音楽を選択し、毎日楽しい時間を過ごした。 初めての授業。 自己紹介で、名前は、マツオカ・ジェニーです。。。とふざけたことが、そのわけだ。 毎回、先生は、階段状になっている音楽室の上の方から、 さ〜歌うわよ〜と、チャイムと共に、光る声とともに現れた。 それは、宝塚の一場面のように、感じていたのは、私だけではないと思っている。

 

新しい「壁の落書き」 2021年制作
新しい「壁の落書き」 2021年制作

クラシックギターのテスト。どうしても、ひくことができず2週間居残りしている私に対して、 もういいからジェニーちゃん、あなたが楽しめる楽器で、挑戦してちょうだい。私は、スキップして帰り、1週間後の音楽の授業で、中学の時に作った曲をオカリナで発表したのを憶えている。テストがあるにもかかわらず、どうしても頑張れなかった私。興味のないことをどうしてもやれない私を、しっかりと見抜いてくれた先生だった。 再会後、引き続き可愛がっていただき、大人への階段のいろんな話をしながら、 たくさんの愛をいただき、学び、今日この今も、パワーをいただき続けている。

 

私は、白は好きだが、真っ白は嫌いだ。 真っ白な美しい下着とドレスを纏い、土や、果実や、草花の大地の絵の具でドレスを染め、ひまわりのように太陽に微笑み、時に、ドレスの下の地下足袋を脱ぎ捨て、鳥になり広い空の中で歌っている先生のような女性に憧れる。 私も、きっと!鳥になる! 360°輪になって、たくさんの愛にがっしりと編み込まれている私が立っている。 自分らしい、丸みを育て、自分の白を探し続ける。 私にとってのロザリオは、この胸にかけているあの日の白いネックレスかもしれない。 文=gaju

自然と食をテーマにした壁のオブジェ 2019年制作/縁あって納屋カフェに来た大切な作品です。
自然と食をテーマにした壁のオブジェ 2019年制作/縁あって納屋カフェに来た大切な作品です。
細部まで丁寧につくられた造形を(お手を触れずに)お楽しみください。
細部まで丁寧につくられた造形を(お手を触れずに)お楽しみください。